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企業の戦略人事

ビジネスプロセス・リエンジニアリングの視点で組織と職務の再定義

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山本 哲也 : 2022年 9月 18日

 あらゆる産業や業種においてデジタル化が進んでいます。お客様の購買行動もデジタルを中心として動いています。最も大きな影響を与えたのは、コロナ感染症によるお客様の製品やサービス購入プロセスであるバイヤージャーニーの変化です。認識・検討・購入のフェーズがコロナ前後では大きく違います。必然的に企業は、今までの業務内容やフローの見直しに迫られています。

 BPRという言葉をご存じでしょうか。ビジネスプロセス・リエンジニアリングと言って業務内容や組織構造、情報管理など業務フローに関わるあらゆるものを見直し再定義、再デザインすることです。すなわち、企業目標を達成するために、戦略的視点を持って組織体・業務オペレーション・情報システムなどを抜本的に再構築するする事です。

 デジタル化が浸透する以前であれば、マーケティング部門営業部門カスタマーサービス部門が、それぞれに今までの経験などを通じて部門業務を確実に遂行する事が主でした。これは、社内におけるバリューチェーン社内顧客の考えが少なからず希薄化しています。前後の部門間の連携が十分で無くいわゆる、部門の蛸壺化が起こっています。ただし、今のようにビジネスのデジタル化が進んでいない商習慣では、各部門の業務フローがシームレスにつながらずに非効率でありつつも、うまく機能していたというものです。

 他方、今日、お客様の購買行動もデジタル上で進んでいきます。さらに、企業側も働き方の多様化やテレワークの浸透で、同じ時間と空間を共有していないので、従来のように何か課題が出た場合、直ぐに部門間で情報を共有して対処することが難しくなっています。必然的にデジタルを活用することが求められます。

 このような社会環境の変化から、企業において業務フローや組織・人事、情報システム等を戦略的に見直すBPR、すなわちビジネスプロセス・リエンジニアリングが求められます。

 このような問題意識から、お客様に製品やサービスを販売・提供する企業で、直接お客様と関わる機会があるマーケティング部門営業部門カスタマーサービス部門を前提に業務プロセスや職務内容の考え方を簡単に説明します。

 先ず大事な点は、顧客中心設計で業務プロセスを検討する事です。初めに、マーケティング、営業、カスタマーサービスのあらゆる活動の指針となる共通のペルソナの定義です。すなわち、製品やサービスを販売する相⼿は誰かを表すターゲットペルソナ⾃社の社会的役割を出発点に考えます。各部門は、共通のペルソナの情報を共有することにより、マーケティング、営業、カスタマーサービスを1つに統合して機能する働きがあります。その上でカスタマージャーニー全体をCRMで管理すると同時に、マーケティング、営業、カスタマーサービスのすべての部⾨で、潜在顧客から見込み客、そして顧客に転換し、顧客満⾜度を向上させる取り組みで、ロイヤル顧客ナーチャリングを図ります。

 このペルソナのカスタマージャーニーに沿って、各部門の役割部門業務成果責任を明確化して職務定義を進めていきます。重要な点は、営業部門であれば、このような職務が必要だねという今までの経験や感ではなく、お客様の行動(ジャーニーマップ)に沿って、組織と業務を再定義する事です。すなわち顧客中心設計で業務プロセスを考え、その為の組織体、そして部門の職務を定義することです。会社都合に合わせるのではなく、さらには従業員の個々の能力に依存することなく、常にお客様が中心にいて、お客様の全行動(カスタマージャーニーマップ)に基づいて設計していく事です。

 例えば、営業部門であれば、営業プロセスの各ステップを定義します。具体的には、ペルソナの購⼊プロセスで、営業担当者が⽀援を必要とする部分を特定することで、営業部門の職務のタスク(課業)が顧客中心により定義できます。ポイントとしては、営業プロセスのすべてのステップを定義する事です。その上で、ステップごとに明確な終了条件を必ず設定します。これが、職務のタスク(課業)に対する期待される成果となります。さらに、営業プロセスの評価の策定も大切です。これが、職務や職務のタスクの達成基準として評価が出来るようになります。

 カスタマーサービス部門であれば、満⾜度の高い顧客を⽣み出すことに資するプロセスを定義し、期待される成果としてLTVライフタイムバリュー顧客生涯価値)の向上を指標に入れるなどします。

 いずれにしても、組織戦略は、常に顧客を中心に考え、お客様の購買プロセス、それもデジタル化した現状にあわせて、組織や職務、評価指標を策定することが望まれます。

 人事制度の枠組みだけ用意して部門業務を点として設計するのではなく、常にお客様を中心に考え、各部門の役割が部門間でつながり線となり、さらには顧客価値向上の面となる戦略的な組織や業務フローを再定義する事が重要です。

 JOB Scopeでは、BPRの観点から戦略的な人事構築の支援を行っています。

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- 2022年 9月 17日

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