ジョブ型人事における職務価値評価とは、職務記述書に記載されている仕事内容(タスクの集まり)、中長期の目標、行使できる権限、期待される成果、求められるスキルや知識・経験、求められる思考や行動特性、人材要件、責任の範囲、その他職務要件を担う人に対する報酬を決めるための評価です。
簡単化すると職務に対する賃金は幾らなのか?この職務を担う人には幾らの給与を払うのかを決定するものです。
職務に給与を決める事なのですが、簡単なようでこれが結構難しいです。一つ一つの職務に対して企業が払う給与を決めていく事ですから簡単そうで難しいのです。理由は大きく4つあります。一つは、経営目線で評価する事です。経営戦略や事業戦略を実行する組織としての職務があるので、企業が果たす社会的ミッションに対する対価を職務の重要度に応じて分配しなければなりません。二つ目に社員をイメージせずに、職務に対してのみ評価する事。これは、実際の社員を見てしまうと、その方の能力に対する評価となってしまい、職務との独立性が失われてしまいします。次に、現時点の価値だけでなく、その職務が果たす中長期的な期待も含めることです。ただし、実際とかけ離れずにバランスをとらないと将来確実にその組織が利益を生み出すかというのは、厳しい現在の社会環境で不確実性が大きいからです。そして最後に当然ですが、他の職務とのバランスも考慮しなければなりません。同じくらいの仕事内容とスキルレベルにも関わらず、給与で差が出ると人事の不満の原因になりますので。
職務の価値を決めるのは本当に難しいものです。そこでJOB Scopeでは、職務記述書作成時に職務に対する8指標5段階での評価判定できる仕組みを設けています。
具体的には、以下の8指標を5段階の大きさで判定します。
- 人材代替性
- 革新性
- 専門性
- 裁量性
- 対人関係の複雑性(外部)
- 対人関係の複雑性(内部)
- 問題解決の困難度
- 経営への影響度
JOB Scopeでは判定された評価結果で、ジョブスコアが算出されます。さらに点数の高低によりジョブランクが決定します。このジョブランクは給与テーブルと連動しており、ジョブランクごとに賃金レンジが設定される仕組みです。
非常に経営視点からの評価結果に基づいて、かつ自動的に賃金レンジが設定される仕組みです。ジョブランクと給与テーブルの設計も制度設計で導入企業の業種や産業により柔軟に設計できるようになっています。加えて、公的統計データと求人情報を分析した職務ごとの給与データベースをもっているので、労働市場における職務の上限と下限値から、妥当性ある給与を設定できる仕組みとなっています。