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組織改革/人事制度設計

職務等級制度への置き換え

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JOB Scope編集部 : 2023年 2月 19日
job grade

人事制度の基本要素は、等級制度・評価制度・報酬制度ですが、企業の人事の考えやポリシーが固まったら、次に等級の仕組みをどうするのかに着手します。

社員を区分するボックスとし等級ごとに仕事、責任、役職、期待される事、求められる考えや行動特性、その他当該等級の社員に求めれることを定義していく事となります。そして、その等級への社員を配置するための評価制度があり、その等級ごとに社員に報いるための報酬制度が決まってきます。従って何よりも等級制度を会社や経営者の人事の考え方に応じて設計する事が大切です。その選択肢として職能等級、役割等級、職務等級があります。

 

○3つの等級制度

等級制度の基本3種

 

JOB Scopeを導入支援する中で、人事制度が形骸化していたり、人事制度が十分に構築できていなかったりする企業様が一定数いらっしゃいます。このケースの場合は、職務を中心として評価、賃金査定、人材育成、サーベイのタレントマネジメントサイクルを回していくジョブ型人事の仕組みに納得していただくとスムーズに職務を中心とする人事制度構築が行えます。

 

他方、今まで職能等級や役割等級でしっかりと人事制度を運用されている企業様の場合、ジョブ型の社会的ニーズの高まりから職務を中心とした人事制度改革の必要性は感じられている一方で、現行の仕組みがしっかりと出来上がっているため、どこから手を付けて良いのか迷われている方も一定数いらっしゃいます。その理由の一つが職務等級制度は自社には合わないという誤解です。職務ごとに仕事の詳細を定義する職務記述書(ジョブディスクリプション)を作成する事に重点を置かれて、等級定義が曖昧になると思われている方も少なからずいらっしゃいます。

確かに、ジョブ型人事の場合、職務記述書の作成の仕方が話題になる事が多いのでそのように思われる方もいるのは理解できます。しかし、職務記述書にも作成するポジションに応じて等級を設定します。職務を担う職位や役割に応じて等級を設定しますし、職務等級ごとに役割や役職、期待されることなどの等級定義を行います。

職務等級=職務記述書ではなく、職能等級や役割等級で十分で無かった個々の職務に対して仕事内容を詳細に記載するものです。加えて、職能等級や役割等級での等級定義で記載される役割・責任・求められる思考や行動特性などもあっての話です。

 

○職務等級での設計する場合の概念図

職務等級と階層・役職・職務名

 

ご覧になってお分かりのように、職務等級ごとに等級定義や階層、役職他が定義されます。その上で、部門ごとに職務名を等級ごとに設定した上で個々の職務記述書を作成するものです。少々乱暴に簡単化すると、職能等級や役割等級をさらに部門ごとに職務を定義して配置し、その上で職務記述書を作成していくものですので、職務等級制度が全く別物の制度ではありません。確かに海外のジョブ型だと職務記述書だけで採用・評価・報酬が決まるような仕組みである節も見られますが、少なくとも日本企業における職務等級では、組織の骨格、社員の格付けをする等級設定は職務等級においても制度設計時にとても大切なものです。

 

その上で評価の仕組みで一般職階層は能力開発に重点を置く行動評価にウェイトをおきます。他方、管理職層はマネジメントに重点を置いた業績評価で評価制度を組み立てていく事がポイントです。

評価制度に関しては、他のブログで解説します。

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