日本企業の社員は勤勉で真面目な国民性、協調性もあり他国に比べて良く働く。その結果GDP世界3位を維持できていると思われている方も多いかと思います。
確かに海外に行って感じるのは、日本が安全で規律があり時間通りの交通機関、町中は掃除の行き届いた清潔な国というのを改めて実感します。
したがって、仕事に対するコミットメントも強く一生懸命働くイメージを想像することは難くありません。
他方、米国の世論調査及びコンサルティングを行う「GALLUP社」の「State of the Global Workplace 2022 Report」を見ると、違う側面を見て取れます。
以下の図は、JOB Scopeにて調査結果をまとめたグラフです。グローバルレベルだけでなく、地域においてダントツに日本企業の従業員エンゲージメント※が低いことがわかります。
これは何ででしょうか?
こんなにエンゲージメントが低いと品質高く、生産的に良い仕事もできないのではと心配してしまいます。経営に携わる上で従業員のエンゲージメント改善は喫緊の課題のようです。
経済産業省が、2022年5月に雇用や人材育成に関する政策課題を議論する「未来人材会議」で「未来人材ビジョン」を発表しました。その中で日本企業特有の賃金・人事制度の前提とされていた「成長の継続」が見込めなくなった結果、1990年代からは「日本型雇用システムの限界」が指摘されてきたとあります。
「未来人材ビジョン」では、雇用・人材育成と教育システムの一体的運用を指摘し、その中で、企業ができることとして以下2点あげられていました。企業経営者は、しっかりと心に植え付けておく必要がありそうです。
- 一つは、これからの時代に必要となる具体的な能力やスキルを示す事の必要性。
- 二つ目に、企業は、雇用・人材育成システムの見直しが求められている点。
具体的には、終身雇用や年功型賃金に代表される「日本型雇用システム」と「採用戦略」をどうするかという点です。ここには、我が国の雇用・労働環境の課題があるようです。
次回以降、さらに最新の統計データを交えてみていきたいと思います。
※エンゲージメントとは、「個人と組織の成長の方向性が連動していて、互いに貢献しあえる関係。企業に対する従業員の思いや働く姿勢などをあらわします」