人事制度は給与を決めるだけの仕組みではありませんが、そもそも給与ってどうやって決まるんでしょうか?
人事制度で最も大切な事は、社員の成長を促進する仕組みを作る事というのはご存じの事でしょう。社員の現状と将来あるべき姿のギャップを明らかにして、ギャップを埋めるためのキャリア形成の目標を示し、そのための新たなスキルや知識獲得のための教育機会を提供することが重要ですね。
では、冒頭の質問に戻って、給与ってどうやって決まっているのでしょうか?何に支払われているのでしょか?
これが難しく、回答がこれだと言う一つでは無いという事です。企業によって違うんですね。
一般的に良くあるのは、成果に対して支払う、能力に対して支払う、職務に対して支払う、他には、行動や職位、役職、仕事の大きさや責任の量、さらには過去に対して支払う、現在、もしくは将来といった時間軸を伴うなどあらゆる要素が組み合わさって様々なのです。
これって何でしょうか?
人事を担当されている方であれば、お判りの事ですね。
給与の決まり方って、企業の人事の考えや人事ポリシーによって違うのです。
例えば、成果に対してだと成果主義が給与決定に大きく影響していたり、能力に対してだと職能資格制度での等級格付けをしていたり、職務だと今はやりのジョブ型、すなわち職務等級での序列付けだったりして給与の差がでます。また、過去に支払うというのもありましたが、これは日本の人事制度の仕組みで終身雇用制度に基づく年功序列型人事制度の考えとなると納得がいくものですね。
すなわち、給与の決め方も企業の人事の考え方やポリシー次第です。そのためには、どういう人材ビジョンを持ち、社員にいつの時点の何に対してどのように報いていきたいのかを明確にすることが必要です。
それ故に、給与制度を納得いくものにするためには、人事施策をしっかりと考えないといけないのです。
最近は、業種を跨いでの人材の流動化が激しくなっており、キャリア採用の比重が高まっています。人事制度設計をご支援する中でよく出てくる給与の決め方が、前職の給与プラスアルファで決まっているというのが多く見受けられます。当然転職者にとっては給与が下がってまで行きたい会社は、給与以上に魅力的な要素があっての事でしょうが、多くの企業においては、前職より低い金額をオファーすることは中々難しいというのは想像に難くありません。これは間違っているの物ではありません。労働市場で人材獲得するためには、必要不可欠な前提条件です。ただし、新たな人材獲得する時の待遇は、既存社員が納得できるものでなければなりません。
その為には、オファーした金額に相応しい仕事内容や期待される成果を明確化した職務を定義してオファーする必要があります。しかし、職能資格制度や役割等級制度で社員の序列を決めている会社だと、労働市場の価格が高騰している今日では、なかなか外部調達する人材の収まりどころが悪いという事も散見します。
ここで、職務等級制度であれば、オファー給与に相応しい新たな職務を定義することで、その職務を担っていただく事もできますし、そもそも採用前時点で労働市場の状況を見据えて新たな職務を策定して採用をかける事が可能となります。そういう点ではジョブ型雇用は、今日の人材流動性が高い労働市場、高騰する給与にも対応できる仕組みだと思います。
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