テレワークなど出社を前提としない新しい働き方、副業を認めるなどの雇用形態の変化、デジタルトランスフォーメーションの浸透における業務プロセスの変化など、私たちの雇用や就業のあり方が大きく変化しています。
その流れの中で注目されているのがジョブ型雇用です。近年、日本政府の中でもジョブ型雇用に関する議論が盛んに行われていますが、2022年5月17日に開催された内閣府税制調査会において「働き方の変化」をテーマに以下3名の有識者のみなさまが意見交換を行いましたので、公開された資料を元にご紹介します。
第10回税制調査会(2022年5月17日)
https://bit.ly/3wD0scG
神戸大学大学院法学研究科 大内 伸哉 教授
独立行政法人 労働政策研究・研修機構 濱口 桂一郎 研究所長
一般社団法人 プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会 平田 麻莉 代表理事
神戸大学大学院の大内教授は、「これからの労働はどうなるのか(脱雇用労働時代に向けて)」をテーマに、雇われる働き方が20世紀の現象であり、これからはDXの進行により「雇われる」という概念の変化。すなわち企業から個人へという流れが生まれるので雇われない働き方が中心となる。そのために法整備や社会制度の面から見直しが必要だと提言されています。
労働政策研究・研修機構の濱口研究所長は、「ジョブ型雇用社会とは何か」をテーマにお話しされています。冒頭「ジョブ型」がバズワードとして氾濫する社会に対して、「メンバーシップ型」や「ジョブ型」は、日本の雇用形態を説明する上での分類、学術的な概念であり本来の価値判断とは独立している。その上で、経営コンサルやメディアがセールストークとしている点を指摘。さらには、メンバーシップ型とジョブ型を比較しながら優劣を論じている点に関しても、空疎な議論として挙げられています。
お話では、雇用システム、就職と採用、解雇、ヒトの値段とジョブの値段、定年退職他の各項目で過去の経緯も含めて説明がされており、大変興味深いものとなっています。
資料は、上記の総務省のサイトから閲覧できますので、ご関心がありましたらぜひご覧になってみて下さい!